30代前半。若いころから体調不良になりやすかったため、ツボや姿勢矯正、サプリメントについて学ぶ。現在はスクール講師。 長く続けられる体質改善のコツを、分かりやすく紹介することを目指す。
【冷え性対策・改善方法】体の冷え・冷え症は食材で治す!体を温める食材紹介とショウガの効能、レシピ紹介
【始めに:冷え症と冷え性の違い】
冷え症と冷え性は、厳密には異なります。「冷え症」が自律神経失調症や先天的な体質からくる体の内側の冷えの疾患であるのに対し、「冷え性」は血行不良などにより体(特定の部位であることが多い)が冷えてしまっている状態です。

ですが冷え性を放置して冷えやすい生活を続けていると、後天的な冷え症へとなってしまいます。そのためここでは「冷え症」「冷え性」を厳密に分けず、体の冷えに悩んでいる方向けに、体を温める冷え改善方法をご紹介します!
目次
冷やす食品、温める食品
もう何年も前の話になりますが、偶然訪ねた漢方薬局で薬剤師の方にこういうお話を伺ったことがあります。
「冷え性の方は、身体を冷やす効果がある食品を好む方が多く、また猫舌の方も多い。長い期間、こういった食生活を行うことによって、自分自身で悪化させている可能性もある」

これは、この薬剤師の方の個人的な考え方かもしれません。しかし、ちょっと気になる話ではないでしょうか。
ではこの「冷やす食品、温める食品」について、詳しく見ていきましょう。
体を冷やす効果がある食品、体を温める効果がある食品
体を冷やす効果がある食材、体を温める効果がある食品、といった考え方は、漢方の起原である中医学論(中国医学)にもある考え方で、ここから発生した薬膳の考え方でもあります。
これらには、「四気」という概念があり、生薬をはじめ食品全般は「寒、熱、温、涼」の4つのタイプに分けられ、寒性や涼性の食品は体を冷やし、熱性の温性食品は体を温めるといわれています。
体を冷やす効果がある食品、体を温める効果がある食品には、以下のようなものがあります。
【寒性、涼性の食品】
きゅうり、なす、トマト、スイカ、セロリ、ホウレンソウ、白菜、豆腐、こんにゃく、
たこ、シジミ、カニ、わかめ、カニ、テングサ、そば、緑茶、合成酢、など
【温性、熱性の食品】
ショウガ、ネギ、しそ、シナモン、唐辛子、コショウ、山椒、ニンニク、ニラ、たまねぎ
かぼちゃ、かぶ、菜の花、鶏肉、マグロ、サバ、酒、ワイン、黒砂糖、桃、チーズ、など
【平性の食品】
また、どちらでもない、「平性」と呼ばれる以下のような食品もあります。
黒ゴマ、山芋、うるち米、大豆、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、シイタケ、
キャベツ、卵、牛肉、ブドウ、リンゴ、はちみつ、いちじく、ピーナッツ、など
いっけんどちらかわからない食品もありますが、たしかにうなずける食品も多くあります。
漢方では、冷え性の方はこれら熱性、温性の食品を多めに、寒性、涼性の食品を控えめにとることが望ましいと指導を受けます。

しかし寒性、涼性の食品には鎮静作用もあり、現代医療の観点から見ても、食生活に偏りが出るのは問題があると考えられます。
食事は毎日繰り返されるもので、その影響は計り知れません。
バランスを考えて、「寒性、涼性の食材」を用いるときは「熱性、温性の食品」も取り入れる、あるいは温めて食べるといった工夫も必要だといえるのではないでしょうか。
食品の温度
前出のように、温かいものを食べるということも、身体を冷やさないための秘訣です。

飲み物にも言えることですが、胃や腸へ入った冷たい飲食物は体内の熱を奪い、体を冷やします。
温かいものであれば、体も温まるのですが、冷え性の方の中には、猫舌の方も多くおられ、食事でも温かいものより冷たいものを好む方が多いといわれています。
熱いものを無理して食べる必要はありませんが、冷たいものばかりでは問題があるといえますね。せめて温かいものを摂るように心がける必要はあるといえます。
体温のリズムと食事
通常、体温は一日の中でゆるやかな変化をします。
早朝が最も低いといわれていますが、そこから上昇し、夕方ごろにピークを迎え、また下降していきます。
そこで、「寒性、涼性の食品」を摂取するのは、日中が適しているといえ、朝や夜は「寒性、涼性のもの、冷たいもの」は避けた方がよいといえます。
とくに、朝食は一日のリズムを整えるためにも重要であり、温かいものを口にすることによって、代謝をあげる作用があります。
何かと忙しい朝ですが、冷え性の対策を考えるとき、「熱性、温性の食品」を温かくして摂るのに最も適しているのは、朝食といえます。

かぼちゃのスープやかぶとたまねぎのスープ煮といったメニューを、前日の夜から作っておけば、楽にとることもできますね。もちろん、温めて食べることが効果的です。
【補足:朝にお白湯のススメ】
お白湯(さゆ)とは、いわゆる「ぬるめに冷ましたお湯」の事。
白湯は身体にいいと知っていても、不味そうだからとなかなか手を出せずにいる人もいるかもしれません。
しかし、白湯を朝に飲むと美容にも健康にもいい効果があります!

朝一番に白湯を飲むことで、寝ている間に休んでいた腸が活発に動き、便秘解消になるんですよ。
さらに、レモン汁を加えたレモン白湯なら同時にビタミンCも摂れるので、美肌効果もアップ! これは有名モデルたちも行っている美容法です。
最初のうちは、白湯は味気なくて美味しく感じませんが、慣れてくると甘く感じられるようになります。
レモン汁を入れることによって、飲みやすくなる方も多いので、白湯が苦手という方は一度お試しください。
現代医療と冷え性
「体を冷やす効果がある食品」、「体を温める効果がある食品」と見てきましたが、このように漢方には、現代医療とは違った概念があり、独特の栄養学があります。
そして、この栄養学にはまだわかっていないことも多く、研究も少ないことから、否定的な方もおられます。
しかし、多くの方が不調をうったえている冷え性もまた、現代医療において、「冷え」という概念がないことから、病気とはみなされていません。
いずれを信じるかは自分次第ということになりますが、もし焼きナスに身体を冷やす効果があると感じる場合、おいしいものではありますが、連日あるいは夜遅くに食べるのはちょっと控えた方が良さそうです。

また、サラダにトマトを入れるときは、たまねぎも加えたり、しそやニンニクを使ったドレッシングを使ってみるのもいいかもしれません。
いずれにしても、これらは昔から伝えられている考え方であり、全く根拠がない、というにはいささか問題がありそうですよね。おいしく健康的な食生活で、身体の内側から過ごしやすい体質を作っていきましょう!
1日10gのショウガで冷え知らず!
ではここからは、冷え性対策の食材の代表例としてよく挙がるショウガ(生姜、しょうが)に注目し、そのポカポカ効果や美肌効果など、女性にうれしいショウガパワーについて詳しくご紹介します。

辛み成分ジンゲロールが冷えに効く
冷え性の女性に生姜を食べてもらい、その変化をサーモグラフィーで見ると、15分後には全身の末端までがポカポカに!
TVの健康番組で紹介されたことがきっかけで、身体を温める生姜の驚きのパワーが知られるようになりました。
これはショウガの辛み成分ジンゲロールが血管を広げ血行を良くすることで、温かい血液が身体のすみずみにまで行きわたるためです。
冷えで眠れないときは、すりおろした生姜にお湯を注ぎ、ハチミツを加えたホットドリンクを飲むと、身体が芯から温まりぐっすり眠れますよ。
ショウガを食べると免疫力アップ
平熱が36℃以下という低体温症の人や、冷たい飲みものが好きでいつも身体が冷えているという人にもショウガはオススメです。
そもそも身体を冷やすことは、健康にも美容のためにも良くありません。身体を温めると酵素の働きが活発になり、免疫力もアップ。ショウガを食べてポカポカ美人になりましょう。
くすみのない美肌をつくるショウガの力
ジンゲロールには新陳代謝を促して、肌の再生を助け、くすみのない肌をつくる働きもあります。
また強い抗酸化作用で、老化を早める活性酸素を撃退。
紫外線や排気ガス、また室内と外の寒暖差による肌へのダメージ、食品添加物の摂りすぎなど、さまざまなトラブルから女性の肌を守ってくれます。
研究が進むダイエット効果

ショウガにはダイエットにも効果があります。血行を良くして代謝を高める作用に加えて、最近の研究では余分な脂肪や糖質が腸管から吸収されるのを邪魔する働きが認められ、期待が高まっています。
手軽にダイエットをという人は、「ショウガ紅茶」を試してみてください。普通の紅茶にティースプーン1~2杯のすりおろしショウガを加えたものを、1日に2~3杯飲むだけなので簡単!
甘みが欲しいときは、ハチミツや黒糖をプラスしてもOKです。
薬味のショウガは料理の最後に
ジンゲオールの弱点は空気です。
たとえばスライスしたショウガでは15分後、すりおろしたショウガだと10分たつと、7~8割のジンゲロールが損なわれてしまいます。

薬味にショウガを使うときは料理の最後、食べる直前に加えるようにしましょう。
1日に摂りたいジンゲロールは約10g。スライスしたショウガ2枚+すりおろしたショウガひとつまみ+チューブのショウガ約5cmを目安にしてください。
【補足:アップルジンジャースムージー】
リンゴとショウガを使った、温めて美味しいスムージーです。
リンゴとショウガをすりおろし、レンジで温めた牛乳を注げば完成。
すりおろしたリンゴとショウガをレンジで温めてもいいですね。
レモン汁やシナモン、黒砂糖やはちみつを加えてちょっぴり甘めにしても美味しいですよ。

心も身体もあったまる、美味しいホットスムージーで朝から身体をほぐして、寒い日も活動的になりましょう!
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