コスメコンシェルジュ(日本化粧品検定協1級)、 化粧品成分上級スペシャリスト(化粧品成分検定1級)、 アロマテラピー検定1級―― 30代後半。現在敏感肌用コスメメーカーのアドバイザーとして開発その他の分野にて活躍。その知識を活かして女性ファッション・美容雑誌や美容系web媒体に寄稿している。敏感肌の女性の肌悩みを何年も見てきた実体験を元に、的確なアドバイスができるように心がけている。
日焼け後の炎症の原因と対策|ボディ用日焼け止めの正しい塗り方とは?
夏の日差しで、肌に湿疹やかゆみが出ることはありませんか? その症状は、ひょっとして紫外線が引き起こしているものかもしれません。

春から増える紫外線量は、夏にピークを迎え秋まで続きます!
そこで、多くの方々が原因がわからずにお悩みになっている、「紫外線皮膚炎」の症状や対処法をご紹介します!
目次
紫外線皮膚炎とは
紫外線皮膚炎は、「日焼けで炎症を起こす」場合と、日光に過剰反応する「光線過敏症」から引き起こされる場合があります。
肌が赤くなったりヒリヒリしたり、かゆみや湿疹が肌に現れる「日焼け」や「光線過敏症」(一般的には「紫外線アレルギー」と呼ぶ)は、どちらも症状がひどくなると、水ぶくれや発熱、吐き気を伴うことがあります。
肌が黒くならない=日焼けしない?
強い紫外線を浴びると、8時間から24時間後に肌が赤くなります。この赤くなる状態を「サンバーン(sunburn)」と呼び、その数日後にメラニン色素が増えて沈着し、肌が黒くなる状態「サンタン(sun tanning)」へと変化します。
しかしなかには、日焼けをしたときに「赤くなるだけで黒くならない」肌質の方もいらっしゃいます。
この「黒くならない」というのは、日に焼けにくい、という意味ではありません。日焼けはやけどの一種のため、黒くならずに「赤くなってやけど状態がひどく続く」ほうが、紫外線による皮膚障害が起きやすいのです。
また、体内の抗体が一定量を超えることで、アレルギーは突然発症します。花粉症と同様に、小さな頃から浴び続けた紫外線によって、ある日を境に紫外線アレルギーが始まることがあります。
鎮痛剤や湿布(シップ)の成分反応も
紫外線から炎症を起こす原因として、意外にも薬の影響も挙げられます。
鎮痛剤や抗生物質などの服用や湿布の成分により、紫外線に過剰反応し、湿疹が出ることもあるのです!
紫外線で炎症が起こった場合の対処法
まずは冷やして保湿を
先述したように、日焼けはやけどの一種です。まずは冷水を含んだタオルや氷を包んだタオルで、熱っぽい患部を冷やしましょう。
また、紫外線を浴びた肌は乾燥しています。乾燥は肌の回復を妨げるため、炎症が治まった後には、化粧水や乳液でしっかり保湿しましょう。
※日焼け後すぐに、美白系のスキンケアを塗布するのは避けましょう。美白系成分には刺激が強いモノもあるため、まずは保湿重視の肌に優しい成分のスキンケアを心掛けてください!
抗酸化作用のある食材を
紫外線を浴びると、細胞を守るために体内では活性酸素が発生します。ただし、活性酸素が増え過ぎると肌細胞は酸化・劣化し、シミやシワの原因となります。
そのため、キャベツやブロッコリー、イチゴなどの、強い抗酸化作用を持つ「ビタミンC」を含む食物を、積極的に摂りましょう。
ただし、ビタミンCを含むもの全てが良いわけではありません。柑橘類、レモンやパセリ、キウイやアセロラには、光毒性のあるソラーゲン(ソラレン)が含まれているため、摂取することで紫外線に反応しやすくなってしまいます。

ソラーゲンは摂取してから約2時間で全身に運ばれ、「紫外線吸収率が高くなる」ため、紫外線の強い季節には、これらを「外出前」に摂取するのは控えるようにしましょう!
アルコールの影響
アルコールも紫外線皮膚炎を引き起こす要因になります。暑い夏に太陽の下で冷たいビールを飲んで爽快……と思っていても、皮膚には悪影響。
血管を拡張するアルコールによって、日焼けで炎症する物資の働きを促進させてしまうのです。
もしも日中、屋外でアルコールを摂取する場合は、出来るだけ紫外線を避けるようにすることをおすすめします!
ボディ用日焼け止めは正しく塗ろう
体へ日焼け止めを塗る際に最も重要なことは、塗り忘れの部分を作らないことです。腕や足、首などに塗るとき、膝や首の後ろにもきちんと塗りましょう。
首の開いた服やサンダルを履くときには、「デコルテ」や「足の甲」も忘れずにしてください。
なお、汗をかいたり手を洗ったりした場合にも、面倒がらずにこまめに塗り直しをしましょう。
ボディ用日焼け止めクリーム塗り方のコツ
1カ所に固まらずムラなく塗るコツは、容器を「直接」肌につけ、「1本線を引くように」テクスチャを出すことです。
腕なら肩から手首まで、クリームで1本の線を引き、それを伸ばしながら全体に行き渡らせます。

「1平方センチメートルあたり2ミリグラム」の量を塗らなければ、SPF数値など表示通りの効果が出ないと言われていますので、少なくなり過ぎないように注意してください。
手のひらで塗った部分を圧迫するように押すと、白浮きを防ぐことができます。
なお、クリームやジェル状の日焼け止め化粧品をよく目にしますが、べたつきや外出中の塗り直しがあまりお好きでない場合は、スプレー状の日焼け止めを使用すれば、手が届きにくいところも難しくありません。
あまり気にしない方も多いですが、傷みやすい髪の毛や頭皮まで手軽に紫外線対策ができますよ。
紫外線対策で肌トラブルを防ごう!

顔と違いクレンジングを使わない体は、日焼け止めクリームが肌に残ることがあります。何度も洗うと肌への負担が大きいため、「ボディソープでも落とせる」という表示があるものがおすすめです。
外に出るのは少しぐらいだから大丈夫だろうと思わずに、体もしっかり紫外線対策をしてください。洗濯物を干すだけでも日焼けする夏には、紫外線アレルギーをはじめ、シミ・シワなどの光老化を引き起こす、恐い紫外線から身を守りましょう。
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