毎年なんですけど、夏になると急に食欲が落ちて、困っているんです。肌の調子も悪くなるし、なんとなくだるくてエネルギー不足な感じで。不健康に痩せるのは全然ウレシくないんです。
【夏バテ防止野菜】①トマト、きゅうり、かぼちゃ、ゴーヤの効能って?

【相談者①】Aさん
年齢:30代後半


夏には夏の旬もの食材を!
-それは大変ですね。どういうモノなら食べられるんですか?
冷たいものばかり……そうめんとか……そうめんとか……。

そうめんばっかりじゃないですか! たしかにそうめんにはカルシウムは多いんですけど、そればっかりというのは困りましたね。夏にはやっぱり夏野菜で元気を出してもらいたいです。
-夏野菜といえば……トマト、かな?
そうですね、夏野菜の代表といえば、まずはトマトです。トマトで有名な栄養素は「リコピン」ですが、これはカロテンの1種。
ビタミンC,Eやカリウムも豊富に含まれていて、高い抗酸化作用があるため、細胞の老化防止になりますよ。日焼け後の肌の炎症も抑えてくれるので、まさに夏にピッタリですよね。
それからトマトに含まれるミネラル類が、胃もたれや食欲不振を改善してもくれます。さらに女性に多い貧血にも、トマトは効果があるんです。Aさんには当てはまらないけど、高血圧や糖尿病改善も期待できますし、とにかくトマトの栄養素は素晴らしい!
-トマトってそんなにスゴイんですか。貧血にまでいいなんて……あ、だからほうれん草との料理が美味しいのか~。
美味しいというか……、そうですね、貧血が気になる女性はトマトにほうれん草、ブロッコリー、レバーを合わせたお料理がオススメです。
特にトマトは加熱することで、リコピンが身体に吸収されやすくなるんですよ。また油溶性でもあるため、油を一緒に摂取したほうが、さらに吸収されやすくなるんです。
油? えっと、オリーブオイルで炒めるとか、ですか?
もちろんそれでもいいですし、ベーコンと一緒に炒めても、ベーコンの油と一緒に摂れますよね。サラダやスープにごま油を少し垂らすだけでも。

それにチーズやヨーグルトなどの乳製品との相性もいいんです、味としても、リコピンの吸収率としても。缶詰のトマトスープに牛乳を混ぜるだけでも、食欲のない時に摂ってほしい一品になります。
そうですね。スープなら食べられそうです。
きゅうりを食べるときの注意点
-トマトの他に、夏野菜と言えば……、きゅうり!
そうです、きゅうり。でもきゅうり自体は、それほど栄養素豊富ということもないんです。さらに注意して欲しいのは、きゅうりにはビタミンCを破壊する酵素が含まれているんです。
-え、大事なビタミンCが!
だからきゅうりにはお酢やレモンをかけて、その酵素の働きを抑えるようにして下さい。
-じゃあきゅうりってなんなんですか?! 水分ばっかりじゃなかったですっけ?
90%水分です。でもですね、きゅうりにもビタミンCやカリウムなどが含まれていますよ。
まずきゅうりには、夏野菜の特徴でもある「身体を冷やす」効果があります。だから夏バテ防止になりますよね。ただし冷え性で胃弱の方は、あまり摂取しないように、です。それに水分は夏には失われがちだから、水分が多いのは悪いことではないんですよ。
それから解毒作用や、過剰摂取した塩分の排出を促してくれます。むくみが気になる方にはいいですね。ユキエさんだったら、二日酔い予防にも。

食物繊維もありますし、ちゃんと身体に良い食材なんです。美容としては、きゅうりパックをすれば、日焼け後の肌のほてりも鎮めてくれますよ~。ただしお肌に合わない場合は、すぐにやめてくださいね。
-きゅうりパックは、昔ちょっとやったような。と言うか、二日酔いにはきゅうりがいいんですか。じゃあお酒のお供には必ずきゅうり料理を食べます! えっと、他に夏野菜と言えば……。
かぼちゃと食べると風邪を引かない?!
かぼちゃ、ですよね。
そうです。かぼちゃも大事な夏野菜です。かぼちゃは美容の味方、ビタミンEがたっぷり含まれています。
さらに、体内で一部はビタミンAに変換されるβカロテンやビタミンC、鉄分、カルシウムも豊富なので、ぜひ積極的に摂ってほしいですね。
-そういえばかぼちゃって、「冬至に食べると……」、なんでしたっけ?
「風邪をひかない」ですよ。βカロテンの免疫力向上作用や、ビタミンC、Eの抗酸化作用などが美容と健康に好影響ということです。
風邪をはじめ、ガン予防や貧血予防にもいいんですよ。さらには身体を温めてくれるので、夏でも冷房や冷たい食べ物ばかり摂取していて、身体が冷えてしまった方の体調回復にオススメの食材なんです。
カロテンとビタミンCは粘膜の修復をしてくれるので、胃が弱っているときにはかぼちゃスープがオススメ。
これも食べやすそうですね。その辺りから体調を整えます。
ゴーヤの苦味は効果バツグン?!
-えっと、他には……、ゴーヤは? 栄養価が高いと聞いた覚えがあるような。
そうです。ゴーヤもやはり、美容と健康に重要な栄養素が豊富ですね。
あの独特の苦味には、なにか効果があるんですか?
あの苦味はモモルデシンという成分なんです。血糖値を下げたり、胃腸の粘膜を保護してくれたりしますよ。またビタミンCを非常に多く含んでいるから、夏バテ気味の弱った身体にちょうど合っているんです。
先ほどから出てくるβカロテンや鉄分、食物繊維も豊富で、とにかく栄養価が高い。ガン細胞も抑制してくれるし、健康にも美肌づくりにも欠かせない夏野菜です。

ただあの苦味が苦手な方っていらっしゃいますよね。でもたとえば、薄くスライスしてお水にさらすと苦味が減ります。油で炒めたり、下ゆでしても苦味は減るので、できるだけチャレンジして欲しいですね。
栄養がたくさんあるんですものね。夏バテしている時にこそ、意識的に食べてみます。
【夏バテ防止野菜】②ピーマン、とうもろこし、ナス、枝豆の効能って? へ続く!
30代前半。若いころから体調不良になりやすかったため、ツボや姿勢矯正、サプリメントについて学ぶ。現在はスクール講師。 長く続けられる体質改善のコツを、分かりやすく紹介することを目指す。