結論から言うと、ベル型のピーマンの一種をパプリカと呼んでいるんです。
【夏バテ防止野菜】②ピーマン、とうもろこし、ナス、枝豆の効能って?

【相談者①】Aさん
年齢:30代後半


【夏バテ防止野菜】①トマト、きゅうり、かぼちゃ、ゴーヤの効能って? を復習!
ピーマンとパプリカとシシトウって?!
-あ、そういえば野菜について聞きたかった事が! ピーマンって夏野菜ですよね? パプリカもピーマン?
え、そういうこと~!
さらに付け加えると、ピーマンはナス科トウガラシ属なんです。だから日本では、辛いモノは「トウガラシ」、辛くないシシ型の品種は「ピーマン」、ベル型の品種のピーマンは「パプリカ」と呼ばれ、さらにはシシトウも同じ属に入っています。

ちなみに緑ピーマンは完熟前のモノで、完熟すると赤ピーマンになるんです。
-なんか、意外な展開になりました。トウガラシとピーマン、パプリカって、そんな関係だったんですね。
ではピーマンの栄養素に話を戻すと……、ピーマンも美容と健康に欠かせないビタミンC、E、カリウムなどがたっぷりです。特にビタミンCの配合量は、「赤、黄、緑」の順に多いんですよ。
-えっと、赤パプリカまたは赤ピーマン、黄パプリカ、普通の緑のピーマンってことですね。
はい。赤パプリカは、ビタミンC、E、カロテンが非常に多いんです。でも緑ピーマンにはクロロフィル、つまり葉緑素が含まれているので、抗酸化作用が期待できるし、それぞれに特長があるんです。黄色パプリカも美肌効果が高いですしね。
それからさっきの話を思い出してもらって、他になにか成分が入っている気しないですか?
トウガラシの仲間ということは、「カプサイシン」?
そうです。だから赤パプリカにもカプサイシンが入っているんですよ。だから新陳代謝を良くしてくれますし、ダイエットのサポート役をしてくれます。疲労回復にも効果アリ!
-ピーマン、実はあんまり好きではないんだけど、パプリカなら大丈夫です!
そんな子どもみたいなことを……。そうそう、ピーマンのヘタが「五角形」のモノは苦味が強く、「六角形」のモノは苦味が少ないですよ。だから苦味が苦手な方は、ヘタが「六角形」のモノを選んでみては。
-ヘタの形?! 見てもいなかった……。
ピーマン類に入っているビタミンPはビタミンCを熱から守ってくれるから、加熱してもビタミンCが壊れにくい。だからどんなお料理にも使いやすいですよね。
もちろん生のままでも食べられますから、サラダにもOK。Aさんもピーマンやパプリカをたっぷり食べて、栄養補給してくださいね。
分かりました。色によって味も違うし、彩りとしてもキレイだから食欲が出そうです。
とうもろこしのひげ?!
-えっと、次の夏野菜は……「とうもろこし」はどうですか?
とうもろこしと言えば、ダイエット効果で注目されたこと、ありましたね~。
-え、そうなんですか? ダイエットに効くんですか?
うーん、そうですねえ。とうもろこしの粒一つ一つの皮に食物繊維が豊富なので、満腹感+便秘解消=ダイエット、にはなります。でもカロリー自体も結構高め。
ただそれだけじゃなく、栄養価もとっても高いんですよ、とうもろこしって。身体と脳のエネルギーになる炭水化物が主ですが、疲労回復に必要なビタミンB1、B2も含まれているし、女性にうれしいビタミンEや、葉酸、鉄分などのミネラルも豊富です。

それから女性に関することで言えば、とうもろこしのひげには利尿作用があるのから、妊娠中などのむくみにもバツグンです。
夏バテしている時には、とうもろこしも活躍してくれそう。エネルギーになったり疲労回復に役立ったり。
そうですよ。でも胃が弱っているときは、粒の皮が消化不良になりやすいので、リゾットやスープにしてみては?
分かりました。次の夏野菜といえば……、あ、「ナス」ですね。
ナスにはナスニン?!
-ナス! あの紫色には栄養素がたくさん入っていそうです。
う~ん、ナスって90%以上は水分で、他の夏野菜ほどには栄養価が高い、という事でもないんです。でも食物繊維が豊富で、カリウムや葉酸を含んでいます。それに胃腸と肝臓の働きを向上させる、夏バテに効果的な「コリン」という成分も含んでいるんです。
それからたしかにあの紫色はポリフェノールの一種「ナスニン」で、抗酸化作用がありますね。
-抗酸化作用といえばお肌の老化防止! シミ・シワ予防!
ガン防止も。だから皮も食べた方が大事な栄養素が採れるんです。
でもよく言われているように、ナスには身体を冷やす作用もあるから、夏バテの時にはちょうど良いですけど、冷えが気になる場合は身体を温めてくれる食べ物と一緒に摂取して下さい。たとえば皮つきナスのチーズ焼きなんて、そうめんと一緒に食べても美味しいですよ。
-美味しそう! コリンも採れるし、弱った胃腸も元気になれますよ。
はい。それは重要ですよね、私には。実はそうめん以外にも、夏バテしても食べられる食材、ありました。
-あ、なんですか?
枝豆です。
枝豆と大豆の関係って?!
枝豆、いいですね~。枝豆は大豆と野菜、両方の栄養素を併せ持つ、スゴい食材なんですよ。
-大豆と野菜? あれ、枝豆って大豆の親戚でしたっけ?
親戚ではなくて、大豆の子ども、かな。大豆が成熟する前段階で収穫されたものが枝豆なんです。ちなみに枝豆は分類上、「緑黄色野菜」なんですよね。大豆プラス野菜の栄養素、なので。
そんなに優秀な食材だったんですね。
そうですよ~。だから大豆と同じく、まずはタンパク質が豊富です。それからビタミンB群やC、E、βカロテンも豊富。ナスと同じく、胃腸・肝臓機能に良いコリンも入ってますよ。で、これらの栄養素がアルコールの分解を促進してくれるから……。
-おつまみにピッタリなんですね! 理にかなっている。
もちろんビタミンB1なんかは疲労回復効果がありますよ。さらに大豆といえばイソフラボンですし、食物繊維や鉄分も多いんです。だから女性にオススメなんですよね。
そうなんですか。栄養のことなんか考えずに、なんとなく食べていました。
ただし枝豆に限らずですが、いくら栄養があってもその食材だけを食べ過ぎるのは良くないですね。限られた食材だけでは栄養素が偏ってしまったりして、それはそれで身体に悪影響を及ぼしますから。
-まんべんなく、その季節の食材を、相性の良い食材と合わせて美味しく頂くのが健康への第一歩、ですか。

そうですね。さすがユキエさん。食べ物に関してはまとめ上手ですね。
-でしょ~。自慢じゃないですが、夏バテなんてしたこともありません!
う、うらやましい。私もそうなるように勉強します。
-え、ただ食べたいモノを本能のままに食べているだけですけど……。
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30代前半。若いころから体調不良になりやすかったため、ツボや姿勢矯正、サプリメントについて学ぶ。現在はスクール講師。 長く続けられる体質改善のコツを、分かりやすく紹介することを目指す。